今月の初め、マイクロソフト傘下のMojangは、Windows10版マインクラフトを2020年配信予定の無料アップデートにて、リアルタイム・レイトレーシング(Ray-Tracing)をサポートすることを発表しました。
参考:RENDER DRAGON AND NVIDIA RAY TRACING | Minecraft公式(英語)
レイトレーシングとは
ゲームなどコンピュータ内で描画される世界において、空中を移動する光子の動き(光線)を追跡する次世代技術のことです。簡単に言うと、より高度な光の描画処理を行うことで現実と見分けのつかないほどのCGを再現することができます。
▼リアルタイムに光の描画を行うことで、波打つ水に反射する物体も正確に描画することができる。
▼マインクラフトにおいても、光源からの光線やリアルな影が描画される
光を放つ光源が少しでも動くたびに描画しなおす必要があるため、リアルタイム・レイトレーシングは処理が非常に重くなります。そのため、実際に体感するにはNvidiaのRTXなど、レイトレーシングに対応したグラフィックボードが必要です。
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しかしRTXの購入前に、一度はレイトレーシングを体験してみたい!という方も多いはず。
そこで今回は、マイクラの影MODシェーダー『SEUS』で有名なSonic Ethers氏が開発し、無料公開している "疑似レイトレーシング(SEGI)体験デモ" についてご紹介します!
▼RTXグラボを積んでいなくても、疑似的にレイトレーシングを体験できる
3パターンの疑似的なレイトレーシング体験が可能
SEUS作者のSonic Ether氏は、自身が開発したUnity向けの "ボクセルベース" での光演算手法『SEGI』の技術デモを3タイプ公開しています。
SEGIは、空の太陽や光源物体からの指向的な光による、間接光や光沢のある反射を描写することができます。そのため、レイトレーシング対応のグラボでなくても疑似的なレイトレーシングを体験することができます!
公開されているデモは以下の3つ。
Sponza Demo
『Sponza Demo』では、グラフィック技術のデモによく使われるどこかの城内を再現したマップで、SEGIによる疑似レイトレーシングを体験できます。
▼光源から出る光により、地面やタペストリーの一部が反射する描画
▼太陽光からの直射光によって、タペストリーのうねりで出来る影も見事に描画されている
▼光源からの直射光が当たらない場所でも、現実のように間接光によって明るく描画される
▼『Q』キーで光源オブジェクトを生成することも可能
Low-Poly Demo
『Low-Poly Demo』では、その名の通り低ポリゴンの世界でSEGIデモを体験できます。一片一片のポリゴンへの光の当たり方を確認しやすいのがこちらのデモになります。
Labyrinth Demo
『Labyrinth Demo』では、マイクラのブロックで組まれたような、立体的な迷路でSEGIを体験することができます。もしリアルタイム・レイトレーシングがマイクラに導入されたらどうなるか、が体験できるデモになっています。
▼こちらのデモも、『Q』キーで光源となるボールを生成して光の当たり方を確認することができます。
さらにこちらのデモでは、『E』キーでマイクラのように1ブロック単位で迷路を削り、光の当たり方の変化を確認することも出来ます。
▼削る前
▼削った後
これら3タイプのデモにて、次世代光源レンダリング技術を体験することができます。夢が広がりますね(゚∀゚)
ダウンロード&設定方法
SEGI - Sonic Ether Official HP
SEGIのデモは上記のリンクからダウンロードできます。
▼アクセス後、ページ下部にある各デモの『DOWNLOAD』ボタンをクリックすると、.ZIP形式のデータをダウンロードすることができます。
※各デモの容量は、Sponza Demo:59MB, Low-Poly Demo:14MB, Labyrinth:85MB となっています。
ダウンロードした.ZIPデータを解凍し、実行データ(.exe)を起動します。すると以下のような画面が出現するので、各項目を設定した後『Play!』をクリックするとデモが開始します。
設定項目の説明
- Screen resolution:デモを起動するスクリーンの大きさを指定します。
- Windowed:チェックを入れるとウィンドウで、入れないとフルスクリーンでデモが起動します。
- Graphics quality:グラフィックのクオリティです。現時点ではFantasticのみ。
- Select monitor:デュアルモニターにしている場合、出力モニターを選択できます。
- Input:各操作キーの割り当てを変更できます。
操作方法
デモを起動すると、右下に各操作キーが表示されます。
各操作方法
- W,A,S,Dキー:上下左右移動
- Shift:下降
- Space:上昇
- Gキー:グローバルイルミネーションのON/OFF切替
- Iキー:infinite bounces(?)の切替
- Rキー:ボクセル品質の切替(Labyrinthの場合は迷路をランダムに再生成)
- Qキー:光源オブジェクトを生成
- Cキー:光源オブジェクトをすべて削除
- Eキー:目の前のブロックを削除(Labyrinthのみ)
- Hキー:説明枠を隠す
次世代グラフィック技術『レイトレーシング』
以上のように、Sonic Ethers氏が制作・公開しているSEGIデモを使わせてもらうことで、次世代グラフィック技術『レイトレーシング』を疑似的に体験することができます。
ちなみに、同作者はマイクラのシェーダーについても開発・配布を行っています。
▼参考
-
【マイクラ】SEUS開発版の『PTGI E9』が公開!フェンスなどの非ブロック形オブジェがレイトレーシングの描画に対応
Minecraftの影MODシェーダーで有名なSonic Ether氏が、開発中であるSEUSシェーダーの最新版『SEUS PTGI E9』の配信をPatreonにて開始しました。 PTGIシリーズ・ ...
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そこまで性能の良いグラフィックボードを積んでいなくても起動できるので、是非試してみてくださいね!(゚∀゚)
ちなみに、今回私がデモを使用した際のPCスペックは以下の通りです。
- GPU:GTX1060
- CPU:Intel Core i7
- ROM:16GB
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