世界には、言論の自由の擁護を目的としたジャーナリストによる非政府組織『RSF（国境なき記者団）』という組織があります。
RSFのメンバー達は、世界中で起きている戦争・紛争・人権侵害・弾圧などについて真実を発信するために、日夜奮闘しています。
しかし昨今では言論統制がますます強化されており、政府当局による検閲によって、情報内容が都合の良いように改ざんされてしまうことが多々あります。
インターネット上での検閲も厳しくなっており、一部の国・地域では、政府に都合の悪い情報を書いたジャーナリストは、拘留・監禁・投獄され、最悪の場合は殺害されてしまう場合もあるのです。
そこでRSFの一部のメンバーは、政府による検閲を逃れることができ、かつ世界中の人々に情報を見てもらうことのできるプラットフォームとして "マインクラフト" を選びました。
そして、サウジアラビア・ロシア・ベトナム・メキシコ・エジプトのメンバーが、各国で起きている人権問題について無検閲状態の真実の情報を収めたワールド『The Uncensored Library』ｻﾞ･ｱﾝｾﾝｻｰﾄﾞ･ﾗｲﾌﾞﾗﾘｰ（無検閲図書館）を公開しました！
図書館内には "本（Book）" の状態で各記者の情報を閲覧できるようになっています。
マイクラのワールドデータ自体は、一度各プレイヤーの端末に保存してしまえば検閲・改ざんなどが非常に困難になるため、個人的にはとても良いアイデアだと思います。
そして何より、マイクラのワールドとしての完成度も驚くほど高いものに仕上がっていました。
そこで今回は、実際に私が『The Uncensored Library』に入ってみた時の様子と、ダウンロード＆導入方法などについて分かりやすく紹介していきます！
目次
『The Uncensored Library』に実際に入ってみた
『The Uncensored Library』のワールドデータは、公式ウェブページにて無料でダウンロードが可能です（方法は後述）。
ワールドは広大で、デザインも非常に秀逸なものになっていました。なお、プレイ時には影MODの導入をオススメします！
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広大で美しい外観・庭園
まずは外観から紹介していきます。
▼建築物の入口にはペンを持った手が。記者のシンボルらしいですね。
▼図書館へと続く長い道はアンコールワットを彷彿とさせて、とても綺麗です。
▼図書館外部の庭園は広大で、描画距離を "遠い" 設定にしても描画が追い付かないほど。
▼非常に細かく作り込まれている庭園は一見の価値アリ！是非フレンドと歩いてみてください。
▼センスの良さが伺えますね！
▼建築の参考になりそうな、見事な構造です。
▼図書館の裏側の外観
▼図書館の正面の外観。上部に『THE UNCENSORED LIBRARY』の文字が見えます。
このように外観から非常に良く作り込まれているため、普通のマイクラワールドとしても十分に楽しむことが出来ます。
荘厳な雰囲気の図書館・エントランス部
そして正面玄関から図書館に入っていくと、下画像のようなエントランスがお出迎えしてくれます。
▼初めて入った時は、あまりの迫力と物量に驚かされました。
入口の書見台には本が置いてあり、右クリックで図書館に関する説明を読むことが出来ます。
内容については以下の通り。
Welcome to THE UNCENSORED LIBRARY | 要約：
多くの国ではインターネットが監視され、一部のウェブサイトはブロックされています。
しかし、マインクラフトの世界には誰もがアクセスできます。
私たちはこの抜け穴（マイクラ）を利用してネット検閲を避け、独立した情報源を構築しました。
世界のジャーナリストたちの中には拘留・投獄・追放されたり、殺された者までいます。
そのような彼らの真実の声を、この図書館内の本で閲覧することができます。
世界中のプレイヤー達に、決して検閲されない真実の情報を届けます。
どうか私たちのこの取り組みを、あなた達の友人にシェアしてください。
詳細な情報が知りたい場合は、私たちのウェブサイト（uncensoredlibrary.com/）で紹介しています。
中央エントランスのドーム状になっている部分には、各国（約180ヶ国）の国旗が再現されています。
▼ちゃんと日本の国旗もありました！
▼ガラス張りの床下には地球を模した球体が見えます。
そしてエントランス中央部の書見台にも本が置かれており、こちらでは『RSF World Press Freedom Index』（世界報道自由度ランキング）を見ることができます。
▼ちなみに日本は67位でした。
ジャーナリストの声が収められた書庫へ
そしてエントランスの3方から伸びる回廊を進んでいくと、本ワールドを立ち上げた5ヶ国のジャーナリストの、生の声が収められた書庫に行くことが出来ます。
▼書庫の入口には、各国の国旗が掲げられています。
国ごと（ジャーナリストごと）に異なったデザインの書庫となっており、個性が出ていて非常に面白いです。
以下からは、各国の書庫の様子を紹介していきます。
EGYPT（エジプト）
エジプトの書庫では、天秤を模したオブジェクトが建てられていました。
▼天秤の下にはジュークボックスが置かれており、レコードに録音された記者の "生の声（肉声）" を聞くことが出来ます。
MEXICO（メキシコ）
メキシコの書庫では、亡くなられたジャーナリストの方々の墓標が建てられていました。
▼部屋の中央に置かれた本で、記者の記事を読むことが出来ます。
SAUDI ARABIA（サウジアラビア）
サウジアラビアの書庫には、巨大な牢屋のようなものが置かれています。
▼牢屋内に置かれた本で、文章を閲覧することができます。
VIETNAM（ベトナム）
ベトナムの書庫は、床がまるで迷路のように入り組んだ構造になっています。
▼こちらでも文章を閲覧することが可能。
RUSSIA（ロシア）
そしてロシアの書庫では、巨大なオクトパスが触手を伸ばしている様子が再現されていました。
▼オクトパスの頭部あたりに置かれた本を閲覧することが可能。近くで見るとスゴイ迫力でした。
以上のように各国の書庫にて、ジャーナリストたちの貴重な無検閲状態の文章を読むことが出来ます。
文章はいずれも英語版が用意されているので、苦手な方でも、英語の勉強だと思ってぜひ読んでみてください！
ダウンロード＆導入方法
『The Uncensored Library』のワールドデータは、以下のサイトから無料でダウンロード可能です。
※前提MODなどは不要, バージョンは1.14.4に対応しています。
上記のリンクにアクセスし、ページ下部の "Download" ボタンをクリックしてください。
するとワールドデータ本体（.zip）がダウンロードされるので、データを解凍します。
解凍したフォルダを『.minecraft』内の『saves』フォルダにそのまま入れて下さい。
後はマイクラ起動して、ワールド選択画面で『The Uncensored Library』を選択することで、ワールドに入ることが出来ます。
リソースパックをデフォルトを推奨
なお、本ワールドデータを導入すると、専用のリソースパックが自動的に適用されます。
そのため、その他のリソースパックについては適用を解除しておくことをオススメします。
マインクラフトの非常に有意義な活用方法
国境なき記者団では、このようにマインクラフトを利用することで、世界中に検閲されていない生の声を届けようと奮闘しています。
老若男女問わず世界中の人々が遊んでいるマイクラだからこそ出来ることであり、個人的には非常に有意義な活用方法だと思います。
また、貴重な情報源としてだけでなく、建築物として見ても、非常にクオリティの高い作品です。
本記事で紹介しているのはほんの一部であり、本当に細部まで良く作り込まれているため、クラフターの方々の建築の参考になること間違いなしです。
巨大な図書館を探検するも良し、ジャーナリストの方々の貴重な資料を読むのも良し。
みなさんもぜひ『The Uncensored Library』のワールドに入ってみてはいかがでしょうか！
