日本では2019年8月30日(金)公開の洋画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(Once Upon a Time in Hollywood)』。
※北米では2019年7月26日に公開開始しています。
『パルプ・フィクション』などで一世を風靡したクエンティン・タランティーノ氏が監督する9作目の作品であり、主演にレオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットを据えるなど、非常に豪華な映画となっています。
監督 | クエンティン・タランティーノ |
制作 | デビッド・ハイマン シャノン・マッキントッシュ クエンティン・タランティーノ |
配給会社 | コロンビア映画 ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント |
公開日 | 北米:2019年7月26日(金) 日本:2019年8月30日(金) |
主な出演者 | レオナルド・ディカプリオ ブラッド・ピット マーゴット・ロビー |
上映時間 | 161分 |
この映画について:クエンティン・タランティーノの9作目となる長編監督作。
レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットという2大スターを初共演させ、落ち目の俳優とそのスタントマンの2人の友情と絆を軸に、1969年ハリウッド黄金時代の光と闇を描いた。
テレビ俳優として人気のピークを過ぎ、映画スターへの転身を目指すリック・ダルトンと、リックを支える付き人でスタントマンのクリス・ブース。
目まぐるしく変化するエンタテインメント業界で生き抜くことに神経をすり減らすリックと、対照的にいつも自分らしさを失わないクリフだったが、2人は固い友情で結ばれていた。
そんなある日、リックの暮らす家の隣に、時代の寵児ロマン・ポランスキー監督と、その妻で新進女優のシャロン・テートが引っ越してくる。
今まさに光り輝いているポランスキー夫妻を目の当たりにしたリックは、自分も俳優として再び輝くため、イタリアでマカロニ・ウエスタン映画に出演することを決意する。
やがて1969年8月9日、彼らの人生を巻き込み映画史を塗り替える事件が発生する。
"ラスト13分、タランティーノ監督がハリウッドの闇に奇跡を起こす" といったうたい文句で宣伝されており、期待の大きい本作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(Once Upon a Time in Hollywood)』について、海外メディアはどのようにレビューしているのでしょうか?
今回は本作について、現時点で出ている海外メディアのレビュー点数(メタスコア)と、評価コメントを抜粋して紹介していきたいと思います!
※可能な限りネタバレを避けた内容を紹介しています。
海外メディアの評価スコア&レビューコメント
Time Out - 60年代後半のハリウッドの隠された真実
Score:100点
Wall Street Journal - ハリウッドの光と闇とアクションが満載!
Score:90点
本作はこの一本であなたを喜ばせ、楽しませ、誘惑します。ストーリーの途中でいくつもの驚きに出会い、結末の大胆さには非常に驚かされます。
タランティーノ監督の作品は暴力的ですが、男性的・女性的な両面を併せ持った暴力は時に優しく、そして面白いのです。
Los Angeles Times - タランティーノに反対的だった人でも本作を好きになれる
Score:80点
Chicago Tribune - 傑作とは言えないが、ここ数年のタランティーノ作品の中で最高
Score:75点
Vox - タランティーノの楽しさが詰まった映画
Score:70点
本作にはタランティーノが本当に愛した昔懐かしのハリウッドを思い出させるものがある。
監督は映画の歴史とその保存に固執している懐古的な面で知られているが、本作は彼自身の個人的な作品と感じられるほど、愛情をもって仕事ができる世界を再現している。
The Seattle Times - ノスタルジックな旅に連れて行ってくれる
Score:63点
Observer - 典型的なタランティーノ映画
Score:50点
典型的なタランティーノ映画の同じパターンを辿った映画だ。新聞の切り抜きのようにバラバラになった台本がエンディングまで延々と続く。
ハリウッド的に新鮮さが何もない3時間近い映画を創り上げるというのは、私に言わせれば俳優の無駄遣いでしかない。
Movie Nation - 本作は監督の代表作ではなくただのカーテンコールだ
Score:50点
俳優による演技は見事だが、内容自体はタランティーノ監督の自己肯定的(自己認識的)な作品であって、時間を浪費しただけだ。
『これが私の最後の映画になるかもしれない』と脅迫めいた発言をする監督や俳優には注意してください。
彼らは批判に抗議しているにすぎないのです。
The New Yorker - ハリウッドよりもタランティーノの真実が明らかになっている
Score:40点
本作はタランティーノの "最も個人的な映画" と呼ばれているが、それは真実かもしれない。
なぜならハリウッドの闇よりもタランティーノ監督の内面の方が出しゃばっており、問題となっている時代に対する彼のビジョンは、わいせつ的なほど退行的であることが分かる。
総合評価(トータルスコア)
総合Score:83点
GOODな点
- 豪華な俳優陣の演技が見事
- 喜び、楽しみ、そして誘惑のすべてが詰まった作品
- 事実とフィクションとを織り交ぜた非常に面白く下品なストーリー
- クライマックスの驚くべき大胆さ
BADな点
- "ハリウッドの闇を明らかにする" という主題よりもタランティーノ監督自身の内面が強く出ている
- 良くも悪くもタランティーノらしい作品
- 最初の運転シーンが冗長で退屈
※『総合スコア』は、本記事で紹介している以外にも、現時点でレビューを出している全ての海外メディアのスコアを集計して算出されているスコアです。
タランティーノ監督の作品は独特な作風で知られており、それが合う人にとっては傑作として見られますが、合わない人にとってはとことん合わず、何が面白いのかさっぱり分からないという評価を受けます。そのため昔から賛否両論に分かれており、今作のレビューでもその傾向が顕著に表れています。
また、作中に登場するブルースリーのイメージが史実と全く異なる描かれ方をしていたため、遺族を含めた方面から批判を浴びており、話題となっています。
参考:タランティーノ監督、ブルース・リー描写に関し遺族からの批判に反論
とにかく "タランティーノらしさ" は健在の作品であるため、監督の過去作を気に入っている人にとっては非常に楽しめる映画ではないでしょうか!私もパルプ・フィクションなどは個人的に大好きなので、是非観に行ってみたいと思います(゚∀゚)!