2019年11月19日(火)配信開始の、PS4, PC向けアクションアドベンチャーゲーム『シェンムー3』(Shenmue III)。
本作は、1999年に1作目が発売され、世界中で大きく話題となった『シェンムー』シリーズの18年ぶりの最新作です。シリーズ3作目となるシェンムー3では、昔ながらの "シェンムーらしさ" を継承しつつ、アクション映画のような白熱したストーリーと、旅番組のようなゆったりと自由な探索を楽しむことが出来ます。
ハード | PS4, PC |
開発元 | YS Net, Neilo, YSNET inc. |
価格 | パッケージ版:6,980円+税 ダウンロード版 通常版:7,678円(税込) ダウンロード版 デジタルデラックスエディション:9,658円(税込) |
ジャンル | アクションアドベンチャー |
プレイ人数 | 1人 |
リリース日 | 2019年11月19日(火) |
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このゲームについて:
プレイヤーは、殺された父の復讐を誓う18歳の日本人武術家、芭月涼としてプレイする。
伝説的な『シェンムー』シリーズの3作目となるこの作品で涼は、父を殺した者が追い求める鳳凰鏡の謎を解き明かそうとする。涼が訪れる中国奥地の村では、人々が生き生きとした暮らしを営み、美しい風景が広がっている。
涼はにぎやかな街や山に囲まれた村で、さらなる修行を行ったり、ギャンブルに手を染めたり、アーケードゲームを楽しんだり、ときにはパートタイムの仕事をしたりしながら、鳳凰鏡の秘密を知る人物のことを調べていく。
1999年にセガのドリームキャストにて1作目が発売された『シェンムー』は、マップを自由に駆け回り、家の中に入って物資を漁るなどといった当時としては画期的な高い自由度をもつゲームとなっており、オープンワールドゲームの元祖と呼ばれています。つまり、現代において高い評価を得ている『グランドセフトオート(GTA)シリーズ』や『龍が如くシリーズ』の発想の元となった作品として認識されており、国内外の一部のゲームファンからはカルト的な人気を誇るシリーズです。
その他、QTE(クイックタイムイベント)という言葉を初めて定着させたのも、『シェンムー』シリーズが初だとされています。
2001年にシェンムー2が発売されて以来、商業的な失敗(赤字)もあって3作目についての話は10年以上音沙汰なしでした。しかし、2015年のE3(世界的なゲームの祭典)にてキックスターター(クラウドファンディング:支援者から資金を募るシステム)により3の開発を開始することが発表され、2の発売から実に18年ぶりとなる2019年、遂に最新作の発売に至りました。
ストーリー的には1,2の続編であり、1980年代の日本 - 中国を舞台に、18歳の主人公 "リョウ" を操作して広大なオープンワールドを冒険していきます。ワールド上には様々なミニゲーム、探索要素、住民達との会話要素などが用意されており、ゲームの進行によって内容はリアルタイムに変化していきます。
もはや伝説となっているシェンムーのゲーム性が現代の技術で再現されているとあって、ファンにとっては垂涎モノの作品になっているようです。
そんな今作について、海外メディアはどのようにレビューしているのでしょうか?
現時点で出ている海外メディアのレビュー点数(メタスコア)と、評価コメントを抜粋して紹介していきたいと思います!
※可能な限りネタバレを避けた内容を紹介しています。
海外メディアの評価スコア&レビューコメント
Gameblog.fr -ファンが長年待ち望んでいたタイトル
Score:70点
本作は1,2作目のファンのために作られたゲームです。ドリームキャストで表現されたシェンムーの世界観、ゲーム性が現行機でも見事に表現されており、物語に没入してアジアの世界観や武道アクションにも魅了されます。
作り込まれたマップ上には多くの探索要素、サイドクエストの数々が用意されており、中にはファンサービスが含まれるものもあります。また、ワールド上では無数のアクティビティが可能であり、それらを通じて主人公(リョウ)の新たな一面を垣間見ることもできます。
一方で、ゲーム自体がPS4に最適化されておらず、たまにフレームレートの劇的な変動が起きたりします。
また、キャラクターのモデリングについても不自然かつ不均一であり、アニメーション(動き)もロボットのようで洗練されているとは言えません。会話中に目まぐるしく動き回るカメラワークについても問題です。
しかし、1,2作目と同じように、次に何が起こるかを発見するという楽しみは健在です。シェンムー4が2037年より前にリリースされることを期待しています。
GOODな点
- シェンムーの名にふさわしいゲーム内容
- 魅惑的な冒険
- いくつかの壮大なシーン
- 主人公(リョウ)の新たな側面が明らかに
- 多くのサイドクエスト
- 多くのアクティビティが可能
- 細部まで作り込まれている
- ファンサービスの数々
- クオリティの高いサウンドトラック
BADな点
- PS4向けに最適化されていない(フレームレートの変動が顕著)
- 会話中に動き回る、煩雑なカメラワーク
- 不均一なキャラクターモデリング
- ロボットのようなアニメーション
- 多人数との戦闘時に照準が定まらない
VG247 -何度も同じことの繰り返しに耐えられる人向け
Score:60点
本作のワールドの環境(風景)は実に美しく、桜の花咲く村や荘厳な寺院、巨大なアーケード街まで、興味深い世界が描かれています。
戦闘システムも洗練されており、ボタンを押すことで自動的にコンボにつながるため、格闘ゲームが苦手なプレイヤーでもすぐに慣れることが出来ます。特に、クライマックスにおける戦いは非常に白熱するでしょう。本編クリア後も、すべてのスキルとお金を持ち越してニューゲームを開始することが出来、まだまだ遊ぶことが出来ます。
一方で、本作で問題なのは "グラフィック" "アニメーション" そして "戦闘のバランス" です。
登場人物はまるで人形かのようなグラフィックであり、表情などのアニメーションもほとんど変化しないため、ロボットのようで感情が伝わってきません。また、戦闘についても『龍が如く』のようにランダムで発生する面白い戦闘がほとんどなく、戦いたければ道場に足を運ぶしかありません。
そして本作は基本的に、マップ上の人物と会話して情報を集めつつ物語を進める形式なのですが、そのおかげで同じような話を何度も聞くハメになります。このように反復的な作業が楽しめる人にとっては、良いゲームなのではないでしょうか。
GOODな点
- 興味深い環境デザイン
- 洗練された戦闘システム
- クライマックスにおける白熱した戦い
- クリア後の再スタートオプション
BADな点
- 奇妙なカメラワーク
- 稚拙な演技
- 人形のように見えるグラフィック
- 戦闘の機会が少ない
- (探索中)何度も同じ話を聞くハメになる
- 待ち望んでいたエンディングは無い
Jeuxvideo.com -過去から抜け出すことが出来ない、時代錯誤的な作品
Score:50点
本作は1,2作目に大きな刺激を受けたファンたちが待望していた作品であり、その点ではある意味期待通りの作品と言えるかもしれません。シリーズ特有の要素を数多く継承しており、なおかつ芸術的で独特な雰囲気の世界観を表現しています。
しかし、本作は技術的に時代遅れであると言わざるを得ません。キャラクターのアニメーションは硬直しており、モデルの表情もほとんど変化しないため感情が伝わってきません。長い読み込み時間も大量に発生し、インターフェースも洗練されていません。まさに前時代の技術を素直に継承していると言えるでしょう。
ワールドについても、刺激が少なく空虚な場所が続き、主人公の物語の進行によって生じる変化も微々たるものです。そしてストーリー進行については、要所要所で金銭が必要になる場面が多く、そのたびに金集めに時間を取られるためテンポが悪くなります。
全体的なストーリーも、結局はあまり進展しておらず、本作は遠い過去のしがらみから抜け出すことのできない、時代錯誤的な作品となってしまっています。
GOODな点
- 待望の続編
- 現実的で戦術的な戦闘システム
- シリーズ特有の要素の数々
- 本当の自由感が味わえる
- 芸術的で独特な雰囲気の世界観
BADな点
- ひねりに乏しい物語
- 主人公の行動による影響が非常に少ない
- 技術的に時代遅れ(ビジュアル、アニメーション等)
- ゲーム内の金銭に依存し、ペースの悪い物語の展開
- 刺激の少ない、空虚なステージ(ワールド)
- 物語自体はあまり進展が無い
総合評価(トータルスコア)
総合Score:60点
GOODな点
- 魅惑的な冒険
- いくつかの壮大なシーン
- 主人公(リョウ)の新たな側面が明らかに
- 多くのサイドクエスト, アクティビティが可能
- ファンサービスの数々
- クオリティの高いサウンドトラック
- 興味深い環境デザイン
- 洗練された戦闘システム
- 芸術的で独特な雰囲気の世界観
BADな点
- PS4向けに最適化されていない(フレームレートの変動が顕著)
- ロボットのようなアニメーション
- 奇妙なカメラワーク
- 人形のように見えるグラフィック
- 戦闘の機会が少ない
- (探索中)何度も同じ話を聞くハメになる
- 技術的に時代遅れ(ビジュアル、アニメーション等)
- 刺激の少ない、空虚なステージ(ワールド)
- 物語自体はあまり進展が無い
※『総合スコア』は、本記事で紹介している以外にも、現時点でレビューを出している全ての海外メディアのスコアを集計して算出されているスコアです。
以上が、『シェンムー3』についての海外メディアの感想となります。
長年待ち望んでいた伝説のゲームがリリースされたともあり、各レビュアーともに熱がこもっていました。
まず本作で高く評価されているのが、芸術的で独特な雰囲気の世界観です。古き良き中華の雰囲気漂う街並みは美しく、各ワールドの眺めも素晴らしいものに出来上がっていると評価されています。
ワールド中には多くのサブクエストやミニゲーム、操作可能なアクティビティが用意されており、中にはシリーズファンであればニヤリとできるような要素や、主人公リョウの意外な一面が感じられる場面もあって面白いと述べられています。
戦闘システムについても概ね良好であり、同じボタンを押すだけで簡単にコンボに繋ぐことが可能で、爽快感があるバトルになっているようです。
一方で、本作で最も不評だったのが "グラフィック" および "アニメーション" の不出来でした。登場人物たちのキャラクターモデルの質は低く人形のように感じられます。表情も変化に乏しく、アニメーションもぎこちないため感情が伝わらず、ロボットのように感じられるとのことです。
その他、頻繁なロードの発生やフレームレートの劇的な変動なども合わさって、レビュアーの中には "技術的に時代遅れ" "時代錯誤な作品" とまで述べる人もいました。
また、戦闘についてもシステム自体は面白いものの、龍が如くのように頻繁にランダム戦闘が発生せず、わざわざ道場などに出向く必要があります。
物語の展開するテンポも悪く、全体を通してシェンムーとしてのストーリーにあまり進展が見られなかったことに落胆するレビュアーもいました。
上記以外にも多くの点で不満点が挙げられる内容となっていますが、そもそもがキックスターターで始まっている作品のため、昨今のAAAタイトルと比較するべきではないとする声もありました。
いずれにせよ、良くも悪くも昔懐かしのシェンムーを継承した作品となっており、シリーズのファンであれば良さを見つけて十分に楽しめる内容になっているようです。
18年ぶりの新作を待ち望んでいたファンの方々にはもちろんのこと、オープンワールドゲームの火付け役ともなった伝説的なシリーズの最新作をプレイしたい方には、是非オススメしたい一作です!
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