日本国内では2019年10月4日(金)公開の洋画『ジョーカー』(原題:Joker)。
バットマンの宿敵である "ジョーカー" がいかにして誕生したかを描くスリラー映画。キャッチコピーは、「笑いの仮面を被れ」、「本当の悪は笑顔の中にある」。
『ハングオーバー!』や『アリー スター誕生』など数々のヒット作で知られるトッド・フィリップス氏が監督を手掛けています。
監督 | トッド・フィリップス |
ジャンル | スリラー |
配給会社 | ワーナー・ブラザース |
公開日 | 北米・日本:2019年10月4日(金) |
主な出演者 | ホアキン・フェニックス ロバート・デ・ニーロ |
上映時間 | 118分 |
あらすじ:「バットマン」の悪役として広く知られるジョーカーの誕生秘話を、ホアキン・フェニックス主演&トッド・フィリップス監督で映画化。
道化師のメイクを施し、恐るべき狂気で人々を恐怖に陥れる悪のカリスマが、いかにして誕生したのか。原作のDCコミックスにはない映画オリジナルのストーリーで描く。
「どんな時でも笑顔で人々を楽しませなさい」という母の言葉を胸に、大都会で大道芸人として生きるアーサー。しかし、コメディアンとして世界に笑顔を届けようとしていたはずのひとりの男は、やがて狂気あふれる悪へと変貌していく。
これまでジャック・ニコルソン、ヒース・レジャー、ジャレット・レトが演じてきたジョーカーを、「ザ・マスター」のホアキン・フェニックスが新たに演じ、名優ロバート・デ・ニーロが共演。「ハングオーバー!」シリーズなどコメディ作品で手腕を発揮してきたトッド・フィリップスがメガホンをとった。
"ジョーカー" といえばアメコミに出てくるヴィランの中でも最も人気の高いキャラクターであり、2008年に公開された『ダークナイト』にてヒース・レジャーが演じたジョーカーが最も印象に残っています。
今作ではホアキンがその役を受け継ぎ、"ジョーカー"と呼ばれる存在になるまでの狂気の道筋を演じています。
ヒースの怪演により一気に敷居が高くなったジョーカーという役ですが、果たしてホアキンはどのように演じているのでしょうか。
今回は『ジョーカー』について、現時点で出ている海外メディアのレビュー点数(メタスコア)と、評価コメントを抜粋して紹介していきたいと思います!
※可能な限りネタバレを避けた内容を紹介しています。
海外メディアの評価スコア&レビューコメント
Total Film -これまでのどのアメコミ映画よりも深く・暗く・不穏である
Score:100点
これまでのどのアメコミ映画よりも深く・暗く・不穏である傑作です。
コミック映画というよりもキャラクターの研究作品であり、ホアキンの目を見張るようなジョーカーの演技はオスカー(アカデミー賞)に値します。
Empire -原作から完全に開放されたキャラクター
Score:100点
本作のジョーカーは原作から完全に開放されたキャラクターであり、観る人が各々の自由なイメージで受け止めることが出来ます。
トッドフィリップスの演出とホアキンの演技は、映画史上最も象徴的な悪役の一人のイメージを見直しただけでなく、原作コミック自体をも見直させる、大胆で破壊的、かつ美しい映画を創り出しました。
The Guardian -栄光に満ちた爆発的な映画
Score:100点
The Hollywood Reporter -サスペンスを刺激し、2時間ずっと満足できる映画
Score:80点
ハングオーバー!などで経験豊かな監督(フィリップス)は、2時間以上続く今作でもペースを安定させ、サスペンス性を刺激し、物語のピークとクライマックスまでの展開を調整することに完全に成功しています。
今作は "ジョーカー" というスーパーヴィランを、大胆に再発明しています。
The Film Stage -起源を物語るのに、語り過ぎている
Score:75点
ホアキンやデニーロなど、各俳優の演技は非常に素晴らしく、それだけでも入場料だけの価値はあります。
しかし一方で、ジョーカーの起源の物語を形作る過程で、あまりにも多くの説明に依存し過ぎています。
例えば、主人公アーサーが即興的な笑いの爆発を説明するプロットは想像力に欠けており、冗長であるとしか言えません。
Vanity Fair -現代文化の空虚さを訴えたかったのだろうが、逆に空虚そのものになっている
Score:20点
映画の中でも最も盛り上がる瞬間では、彼(ジョーカー / アーサー)が革命を始めているように見える。
その革命では金持ちは倒され、貧しい人は必要なすべてを手に入れ、彼自身は殺人ヒーローになります。
このような出来事に我々(観客)が巻き込まれても、正直なんの共感や同感もできない、空虚な展開となっている。
総合評価(トータルスコア)
総合Score:75点
GOODな点
- ホアキンによるジョーカー(アーサー)の演技は非常に見事で、オスカーに値する
- 原作コミックとはまた異なったジョーカーになっており、観客の想像力を膨らませる
- ベテラン監督の手腕により、2時間以上続く物語のペースが安定しており、物語のピークとクライマックスまでの展開を調整することに成功している
BADな点
- アーサーがジョーカーとして形作られるまでの過程(プロット)が説明過多であり、想像する余地を欠いている
- ジョーカー(アーサー)に共感できない
※『総合スコア』は、本記事で紹介している以外にも、現時点でレビューを出している全ての海外メディアのスコアを集計して算出されているスコアです。
ホアキン版のジョーカーは、ヒース・レジャーの演じたジョーカーに負けず劣らずのクオリティとなっているようで、アカデミー主演男優賞に値すると絶賛するレビュアーが多くいました。
また、2時間近く続く物語も、監督の手腕によって中だるみのないペースに調整されており、盛り上がりとクライマックスの部分へ上手に誘導できているようです。
一方で、ジョーカーとしての成り立ちを描く過程の描写がいちいち説明的(もしくは説明し過ぎ)であり、観客が想像する余地を失わせているという意見もありました。
また、結局は悪役誕生の瞬間であり、ジョーカー(アーサー)に共感できなかったというレビュアーも中にはいました。これは結局のところ、観る人の受け取り方次第だと思いますが。
初トレーラー公開時から非常に期待の高まっていた今作ですが、ホアキンも見事な演技を見せ、素晴らしい傑作に仕上がっていることは間違いなさそうです。
原作コミックや『ダークナイト』とはまた異なったジョーカーが描かれているので、バットマンに興味のない方でも楽しめる映画になっていると思います!(゚∀゚)
ちなみに、ジョーカー史上最高の "怪演" との呼び声が高いヒース・レジャー版ジョーカーを見たい場合は、Amazonプライムビデオに登録することで、無料で『ダークナイト』を視聴することが出来ます。