2020年3月6日(金)にアメリカで公開された、ディズニー・ピクサー制作のCGアニメーション映画『2分の1の魔法』(英題:Onward)。
※日本では当初、2020年3月13日公開予定でしたが、新型コロナウイルスの影響により延期となっています。
本作は、ピクサーの長編映画としては2019年の『トイ・ストーリー4』に次いで22作目の作品となる映画です。
『モンスターズ・ユニバーシティ』などを手掛けた "ダン・スキャンロン" が監督を務めるほか、英語版では主人公の声優として "トム・ホランド" を、兄には "クリス・プラット" を起用。
なお、日本語の吹替版声優には "志尊淳"(主人公・イアン役)と、"城田優"(兄・バーリー役)を起用しています。
監督 | ダン・スキャンロン |
ジャンル | ディズニー・ピクサー, CGアニメーション |
制作会社 | ピクサー・アニメーション・スタジオ 他 |
配給会社 | ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ |
公開日 | 日本:2020年3月13日(金)※新型コロナウイルスの影響により延期 北米:2020年3月6日(金) |
主な出演者(声) | トム・ホランド クリス・プラット ジュリア・ルイス=ドレイファス オクタヴィア・スペンサー |
上映時間 | 103分 |
レーティング | 指定なし |
あらすじ:妖精たちが暮らす不思議な世界――。
美しい大自然を背景に、ユニコーンのような角を持つ美しい白馬のペガサスが空を飛び、色とりどりの尾びれを持つマーメイドたちは自由を謳歌し、神秘的な魔法が満ち溢れている・・・がそれは、はるか昔の話。
科学や技術が進化するにつれ、小人や妖精たちも便利な世界に慣れ、この世から魔法は消えてしまった―。
いまや空を飛ぶのはジャンボジェット機。美しい白馬のペガサスは“野良ペガサス”となり、街の地べたでゴミを漁る迷惑な存在に―。
主人公は魔法が消えかけた世界に暮らす魔法を使えない内気な少年イアン。
イアンは自分が生まれる前に亡くなった父に一目会うために、好奇心旺盛な兄のバーリーと共に、魔法を取り戻す冒険に出る。
かつては魔法があふれていたが、技術が進歩し魔法が消えかけてしまったら?
ピクサーの描くワクワクの世界が登場!
妖精(エルフ)が暮らす不思議な魔法の世界で、主人公の "イアン・ライトフット"と兄の "バーリー・ライトフット" が、病死してしまった父親の "ウィルデン・ライトフット" を魔法の杖で生き返らせるために、各地を奔走する物語となっています。
キャッチコピーは『一度でいいから、父さんに会いたい』
10代の主人公らが父親の蘇生を巡って繰り広げる冒険を軸に、家族の絆をテーマにしたディズニー・ピクサー作品となっています。
そんな今作について、海外メディアはどのようにレビューしているのでしょうか?
現時点で出ている海外メディアのレビュー点数(メタスコア)と、評価コメントを抜粋して紹介していきたいと思います!
※可能な限りネタバレを避けた内容を紹介しています。
海外メディアの評価スコア&レビューコメント
Empire -近年のピクサー映画で最も素晴らしいストーリー
Score:100点
本作には冒険・ユーモアそして感動の各要素がバランスよく取り入れられており、エンディングまでペースの良い綺麗なストーリーが展開します。
トム・ホランドらカリスマ的な役者(声優)の魅力も相まって、コミカルな場面からシリアスなクライマックスまで、モンスターズ・インク以来の映画で最もウィットに富んだ映画かもしれません。
心がこもっており、非常に面白い作品です。
GOODな点
- エンディングまでの綺麗なストーリーの流れ
- ペースの良い展開
- 冒険・ユーモア・感動の素晴らしいバランス
- 伝統的だが素晴らしい "兄弟愛" へのオマージュ
BADな点
- 特に無し
The Film Stage-堅実に楽しいファミリー向け娯楽映画
Score:75点
本作は兄弟愛を軸とした、楽しく、感動的な映画であり、安定のピクサークオリティが発揮されている映画です。
特にクリス・プラット(兄・バーリー役)の声の演技は非常に印象的で、表現力に優れ私たちを楽しませてくれます。
本作は『インサイド・ヘッド』のような奇抜なストーリーや、『トイ・ストーリー』のような忘れられない物語を提供するものではありません。
しかし、堅実に楽しいファミリー向け娯楽映画としては素晴らしい作品であると言えます。
GOODな点
- 兄弟愛の美しいメッセージ
- 素晴らしい声優の演技(英語版)
- 堅実に楽しいファミリー向け娯楽映画
BADな点
- 特にこれといった奇抜さは無い
Vanity Fair -特段に優れた点は無いが、それでも素晴らしい作品
Score:67点
ピクサー映画のほかの最高傑作と比較すると、特筆すべき点はあまりありません。
しかしそれでも本作は、感動的で魅力的な物語を備えた素晴らしい作品ではあります。
キャラクター達は魅力的で可愛く、特に兄バーリー(クリス・プラット)の抑揚の効いた演技は優れています。
観た後に考察する余地もある、楽しい映画です。
GOODな点
- 兄バーリー(クリス・プラット)の演技が素晴らしい
- 現実と神話(魔法の世界)との見事な融合
- 感動的で魅力的な物語
- 可愛いキャラクター達
BADな点
- 特段に優れたものはない
The Seattle Times -映画的には特別なものではない
Score:50点
ピクサー映画は大抵の場合、非常に洗練された、心温まる、魅力的で複雑な映画です。
『ミスター・インクレディブル』では子育てと仕事の問題を、『ウォーリー』ではゴミ問題をといったように、社会問題の要素を含めたメッセージ性がありました。
しかし今作にはそれら(特別なメッセージ)がありません。
他のヒット作のジェネリック(類似作)のようで内容は単純、無差別的に若い視聴者層をターゲットにした、子供向けの映画です。
ただし、活気にあふれるクリス・プラット(兄・バーリー)の演技は見事でした。
原文
GOODな点
- 活気のあるクリス・プラット(兄・バーリー)の演技
- 楽しく素晴らしいテーマ曲
BADな点
- 無差別的に若い視聴者層をターゲットにした、子供向けの映画
- 内容は単純
- 映画的には特別なものではない
Consequence of Sound -すべて単調で平凡
Score:33点
CGモデルのレンダリングの綺麗さを見ると、なるほど中々にお金のかかった映画であることは分かります。
しかし、全体的に単調で平凡です。
物語や登場人物には魅力がなく、特に主人公にいたっては弱々しいだけでなく面白みに欠け、感情なども十分に掘り下げられていません。
本作は『トイ・ストーリー』や『ファインディング・ニモ』等と比較して、内容がほとんどない映画です。
映像自体は魅力的なので、おそらく子供であれば100分間楽しんでいられるでしょう。
GOODな点
- 子供であれば楽しめるだろう
- CGモデルのレンダリングは素晴らしい
BADな点
- 魅力が感じられない登場人物
- 内容の無いストーリー
- すべて単調で平凡
総評:堅実に楽しいファミリー向け娯楽映画
総合Score:61点
GOODな点
- エンディングまでの綺麗なストーリーの流れ
- ペースの良い展開
- 冒険・ユーモア・感動の素晴らしいバランス
- 堅実に楽しいファミリー向け娯楽映画
- 素晴らしい声優の演技(英語版)
- 可愛いキャラクター達
- CGモデルのレンダリングが素晴らしい
BADな点
- 特にこれといった奇抜さは無い
- 無差別的に若い視聴者層をターゲットにした、子供向けの映画
- 内容の無いストーリー
- 魅力が感じられない登場人物
※『総合スコア』は、本記事で紹介している以外にも、現時点でレビューを出している全ての海外メディアのスコアを集計して算出されているスコアです。
以上が『2分の1の魔法』についての海外メディアの感想となります。
冒険・ユーモア・感動が詰まった大衆娯楽映画
全体的には評価が二分された結果となりましたが、家族向けの大衆娯楽映画として評価した場合は好評な様子でした。
物語はエンディングまでテンポよく進行していき、分かりやすいストーリーの中には冒険・ユーモア・感動がバランスよく詰め込まれています。
見事なCG技術で表現されるキャラクター達も愛らしく、そこに声優たちの見事な演技が吹き込まれることで、活き活きとした様子が楽しく表現されているとのこと。
特に英語版での "クリス・プラット"(兄・バーリー)の抑揚の効いた演技についての評価が高く、一度は本作を字幕版で視聴してみても良いかもしれませんね。
これといって特別な内容は無い
一方で、低評価を付けたレビュアー達からは『トイ・ストーリー』や『ミスター・インクレディブル』のような特別なメッセージ性は無いと述べられていました。
また物語自体も奇抜さに欠けるため、全体的に平凡で退屈という意見もありました。
このあたりは、映画を真剣に突き詰めて観るタイプか、娯楽映画と割り切って映像を楽しむタイプかによって評価が分かれそうですね。
家族で観る娯楽映画を探している方にオススメ!
何はともあれ、ファミリー向けの娯楽映画としては中々に優秀な作品という評価でした。
映像技術が素晴らしく、キャッチーな場面も多く含まれているため、若い世代の方であれば十分に楽しめる作品のようです。
家族で観る映画を探している方は、ぜひ本作を観てみてはいかがでしょうか!(゚∀゚)
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