数多くのPC関連商品を手掛けるメーカー「GEEKOM」(台湾)は、2024年1月に同ブランドの最新小型PCとして『GEEKOM A7』を発売しました。
記事執筆時点で公式サイトおよびAmazonからの購入が可能であり、以下の3種類のモデルが用意されています。
- AMD Ryzen™R7-7840HS / 32GB RAM / 1TB SSD:125,000円(税込)
- AMD Ryzen™R9-7940HS / 32GB RAM / 2TB SSD:155,000円(税込)
今回、メーカーより本製品(AMD Ryzen™R9-7940HS / 32GB RAM / 2TB SSD)を提供していただいたので、実際に使用した感想を基に良かった点・悪かった点を分かりやすく紹介していきます!
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ブランド | GEEKOM |
型名 | A7 |
OS | Windows 11 Pro (64bit) |
CPU | AMD Ryzen™R9-7940HS (4.0GHz, 8コア, 16スレッド,16MB キャッシュ) AMD Ryzen™R7-7840HS (3.8GHz, 8コア, 16スレッド,16MB キャッシュ) |
RAM | 32GB DDR5 262PIN 5600MHz SO-DIMM ※最大64GBまでの拡張に対応 |
ストレージ | 1TB / 2TB M.2 2280 SSD |
対応通信規格 | Wi-Fi 6E Bluetooth 5.2 有線LAN |
グラフィック | AMD Radeon™ 780M グラフィックス |
インターフェース | ・3 x USB 3.2 Gen 2 Type-A ・1 x USB 4 Gen3 Type-C ・1 x USB 3.2 Gen 2 Type-C ・1 x USB 2.0 Type-A ・1 x SDカードリーダー ・1 x 3.5mmフロントステレオヘッドセットジャック ・1 x RJ45 ・2 x HDMI 2.0 ・1 x DCイン ・1 x 電源ボタン ・1 x ケンジントンロック |
本体サイズ | 112.4 x 112.4 x 37mm |
本体重量 | 約652g |
『GEEKOM A7』は、Windows 11 Pro(64bit)を搭載したミニデスクトップPCです。
「AMD Ryzen™R9-7940HS」および「AMD Ryzen™R7-7840HS」を搭載しており、RAMは32GB DDR5を採用。大抵の作業を快適にこなせるだけのスペック構成となっています。
▼RAMは最大64GBまでの拡張に対応しています。
ストレージには1TB / 2TB SSD(M.2 2280)を採用。大量のデータを保存できるほか、本体起動からデータ転送まで高速で行うことが可能です。なお、2.5インチSATA HDDの拡張には対応していません。
通信規格は有線LANに加え、Wi-Fi 6EとBluetooth5.2に対応。
そして112.4 x 112.4 x 37mm、約652gのコンパクトかつ軽量な筐体には充実のインターフェースが用意。USB 3.2 Gen 2 ポートおよびUSB4 Gen3ポートを複数搭載しており、高速データ伝送に対応しています。
【搭載インターフェース】
- 3 x USB 3.2 Gen 2 Type-A
- 1 x USB 4 Gen3 Type-C
- 1 x USB 3.2 Gen 2 Type-C
- 1 x USB 2.0 Type-A
- 1 x SDカードリーダー
- 1 x 3.5mmフロントステレオヘッドセットジャック
- 1 x RJ45
- 2 x HDMI 2.0
- 1 x DCイン
- 1 x 電源ボタン
- 1 x ケンジントンロック
グラフィック処理にはIAMD Radeon™ 780M グラフィックスを採用。ゲーム、コンテンツ作成、ストリーミング、メディア再生時のパフォーマンスが強化されています。最大8K解像度の映像出力にも対応。
そして、2つのHDMIポートと、2つのUSB4ポートを使用することで、最大4画面への同時映像出力が可能となっています。
その他、効率的な熱循環機構により、長時間の使用時にも内部に熱がこもりづらく、パフォーマンス低下を抑えることが可能となっています。
以上の通り、手のひらサイズのコンパクトな筐体サイズに対して、実用的なスペック構成を実現したミニデスクトップPCとなっています。仕事からクリエイティブな作業、ゲーミング、動画視聴にいたるまで、あらゆる用途に適した最新モデルです。
製品本体および付属品
製品本体および付属品について紹介していきます。
▼製品外箱の様子
▼内容物をすべて取り出した様子
内容物一覧
- GEEKOM A73本体
- 電源アダプタ
- 電源ケーブル
- HDMIケーブル
- ユーザーマニュアル
- Thanksカード
▼ユーザーマニュアルは一部日本語にも対応。
▼電源アダプタはやや大きめなサイズ。
▼コンセントプラグは3ピン形式のため、一般的な日本家庭での使用時には2ピン変換アダプタが必要となるでしょう。
PC本体の外観
▼PC本体の外観。シルバーを基調としたスタイリッシュなデザイン。
▼手触りはサラサラしており、汚れなどが付着しづらく、高級感もある見た目です。
▼デザイン的にはMac miniに似た印象を受けます。
▼112.4 x 112.4 x 37mm、約652gの軽量かつコンパクトな筐体サイズで持ち運びにも適しています。
▼厚みは3.7cmほどのため、カバンなどに入れても支障なく持ち運べるでしょう。
▼底面の様子。ゴム製の滑り止めが施されています。
最大64GBまでのRAM換装に対応
本製品は、最大64GBまでのRAM換装に対応しています。
RAMを換装するには、底部のカバーを取り外していく必要があります。
▼最初に、底部のゴム足×4個を手で取り外していきます。
するとネジが現れるので、ドライバーで取り外していきます。
すると内部も金属製のカバーで保護されているため、同様にドライバーでネジを取り外します。
この時、Wi-Fi アンテナが底部のプラスチックカバーと金属カバーにテープで固定され、配線がWiFiカードまで伸びているため、金属カバーを外した際に高確率で抜けてしまいます。一度抜けてしまうと元に戻すのが困難なため、RAMの拡張時には注意して下さい。
▼カバーをすべて外した様子。
インターフェース構成
続いて本体インターフェースについて紹介していきます。
▼筐体正面には、画像左からUSB 3.2 Gen 2ポート×2、3.5mmオーディオジャック、電源ボタンが搭載。
▼右側面の様子。
▼左側面にはSDカードスロットが用意。
▼背面の様子。DC電源ポート、USB4 Gen3 Type-Cポート、RJ45 LANポート、USB3.2 Gen2 Type-Aポート、USB2.0ポート、USB3.2 Gen2 Type-Cポート、HDMI2.0ポートが用意。
【搭載インターフェースまとめ】
- 3 x USB 3.2 Gen 2 Type-A
- 1 x USB 4 Gen3 Type-C
- 1 x USB 3.2 Gen 2 Type-C
- 1 x USB 2.0 Type-A
- 1 x SDカードリーダー
- 1 x 3.5mmフロントステレオヘッドセットジャック
- 1 x RJ45
- 2 x HDMI 2.0
- 1 x DCイン
- 1 x 電源ボタン
- 1 x ケンジントンロック
以上の通り、限られたスペースに充実のポート類が集約されたインターフェース構成となっています。作業用PCとしても十分に実用性の高い構成と言えます。
USB4 Gen3ポートとUSB 3.2 Gen 2ポートが複数用意されているおかげで、複数のデバイスに対して高速伝送を行うことができます。
実際に使用した感想
それでは、『GEEKOM A7』を実際に使用した感想を紹介していきます!
▼ウルトラワイドモニターに接続。
本製品はとにかくコンパクトで場所を取りません。場所の狭いデスク上にも問題なく設置できます。
▼省スペース化にはうってつけ!スッキリとした作業環境を実現したい方にもオススメです。
▼マウスと並べると、筐体のコンパクトさがより一層際立ちます。
▼デバイスの仕様。
▼映像出力情報。3440×1440解像度のウルトラワイドモニターに接続した場合でも、100Hzの高リフレッシュレートで滑らかに描画されます。
▼2TB SSD搭載モデルでは、初起動時に1.86TB分が使用可能領域として割り当てられていました。
▼CrystalDiskMarkでのテスト結果。読み込み・書き込みともに優れたスコアを記録しています。
▼Windowsエクスペリエンスインデックスの測定結果。一番低いサブスコアでも8.2点を記録しているので、ミニPCとしては実に優れた性能と言ってよいでしょう。
大抵の作業を快適にこなせる性能
最初に、一般的なPC用途として考えられるウェブブラウジング(Webサイト閲覧)や、動画視聴時のパフォーマンスを確認してみました。
ウェブブラウジングに関しては、画像多めのサイトからスクリプトが多用されたサイトまで、いずれもスムーズに読み込むことが可能でした。
▼ページスクロール時にも画面がカクついたり、遅延の発生などはほとんどありません。
▼画像や動画といった埋め込みファイルもスピーディに描画されます。
また、YouTuberなどの動画サイトにて動画を再生した場合でも、高画質映像を問題なく視聴することが出来ました。
▼4K動画もスムーズに視聴可能!ただし再生時の快適さは通信速度に依る部分もあります。
▼4K画質動画を再生中に固まったり、カクつくこともありませんでした。
また、Microsoft Officeなどの作業用ソフトウェアを使用して、様々な作業を行ってみました。
この場合においても、計算処理や描画処理、ファイル出力などがスムーズに行われ、ストレスを感じることなく作業を行うことが出来ました。
▼複数ウィンドウを同時表示した場合でも、快適に作業をこなすことが可能です。
このように、根本的なスペック自体がそこそこ優れているため、一般的なPC用途に関しては何の問題も無く動作することが確認できました。32GB RAMのおかげで、いくつかの作業を並行して行った場合も、いたってスムーズに動作します。
リモートワーク(仕事)用や、オンライン授業用のメインPCとしても、オススメできる性能となっています。
ゲーミングも快適に楽しめる
本製品のゲーミング性能についても確認してみました。
『FF14ベンチマークテスト』を実行してみます。
テスト条件①
- 1920×1080
- 標準品質(デスクトップPC)
- ウィンドウモード
- DirectX 11
上記①の条件でベンチマークテストを行った結果、スコア8,000点、評価は "快適" でした。
高品質設定のFF14を、快適なパフォーマンスで遊べるという結果が出ました。
続いて、品質設定を上げて再テストを行ってみました。
テスト条件②
- 1920×1080
- 高品質(デスクトップPC)
- ウィンドウモード
- DirectX 11
上記②の条件でベンチマークテストを行った結果、スコア5,326点、評価は "普通" でした。
普通にFF14をプレイする分には問題のないパフォーマンスを期待できる結果となりました。
この筐体サイズでここまでのゲーミングパフォーマンスを擁する点は驚きですね!
また他にもマインクラフト(PC・Java版)もプレイしてみましたが、その場合も常時40fps~60fps以上で快適に遊ぶことが出来ました。
仕事やクリエイティブ作業、そしてゲーミングにも利用できる高性能なミニPCとなっています。
優れた廃熱性&静音性
本製品は、発生する熱を内蔵ファンによって外部へ逃がします。
高負荷時にはファンが高速回転してPC動作音がフォーンと大きくなりますが、それでも耳を近づけない気にならないほどの動作音でした。
▼耳を近づけると、かすかにフォーンという排気音が聞こえてくる程度
静音性に関しては優れていると言えます。
ちなみに、レビュー時には重めの処理を実行するなどして、本製品を2時間ほど連続使用して、本体に負荷を与えてみました。
それでも、ファンの音は気にならず、本体もほとんど熱を持ちませんでした。
▼数時間連続使用しても、全然熱くならない。
▼背面に手を当てると、わずかに暖かさを感じる程度。
▼高負荷状態で、2時間連続使用した後の内部温度(CPUID HWMonitor計測値)。最大値で80度を超えることはありましたが、基本的に30度~46度あたりで温度は安定していました。
以上の通り、優れた静音性・排熱効率を実現できていると言えます。
長時間の作業用途を前提にミニPCを探している方でも、安心して利用することができるでしょう。
FF14も快適に遊べる、Ryzen R9-7940HS搭載の高性能ミニPC
今回紹介した『GEEKOM A7』について、特長をまとめると以下の通りです。
良かった点
- コンパクトかつ軽量で持ち運びにも適したサイズ
- 高級感のあるスタイリッシュなデザイン
- 充実したインターフェース構成
- 「USB 3.2 Gen 2 ポート」と「USB 4 Gen 3 ポート」を複数搭載
- 大抵の作業をこなせる実用的な性能
- ゲーミングも設定次第では快適に楽しめる
- 4K・60fpsで快適動作
- 優れた静音性と廃熱性能
悪かった点
- 付属ケーブルが3P形状(2P変換アダプタが必要)
- RAM拡張時(カバー取り外し時)にWiFiアンテナケーブルが抜けてしまう
- VESAマウントに非対応
以上のように、ウェブサイト閲覧・動画視聴・データ作業など、幅広い用途をスムーズこなすことのできる、実用的な性能を擁するミニデスクトップPC となっています。
この性能と充実したインターフェース構成にもかかわらず、本体サイズおよび重量は実にコンパクトかつ軽量なため、ディスプレイ裏に取付けるも良し、外出先に持参するも良しの、汎用性に優れたモデルと言えます。
基礎性能自体が素晴らしく、4K・60fpsでも快適に動作しました。FF14レベルのPCゲームもある程度快適に遊べるレベルのパフォーマンスとなっています。
また静音性や廃熱性能も優れており、長時間の連続使用時でもパフォーマンスへの顕著な影響は見られませんでした。
見た目的にも高級感があり、サイズがコンパクトなため置き場所にも困りません。
一方で、RAM拡張時(カバー取り外し時)にWiFiアンテナケーブルが抜けてしまう点に注意が必要です。また、VESAマウントに非対応なため、モニター裏等へ設置するためには別途マウントを用意する必要があります。
何はともあれ、非常に優れた一品であると言えます。
実用的なミニデスクトップPCの購入を検討している方には、ぜひオススメしたいモデルです!
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