新型コロナウイルスの影響により、最近では在宅ワーク(テレワーク)やオンライン授業など、自宅でPCを用いて作業する方も増えてきましたね!
安定したパフォーマンスで作業したい場合は "デスクトップPC" をオススメしたいところですが、デスクトップPCはノートPCやタブレット端末と比べてサイズが大きく、自宅のスペースを取ってしまうというデメリットもあります。
そこで今回紹介するのが、手のひらサイズにもかかわらず、大型PCに負けず劣らずの性能を発揮する『Beelink GTR5 ミニPC』です!
▼手のひらサイズの小型デスクトップPC
ブランド | Beelink |
モデル名 | GTR5 |
OS | Windows 11 Pro 64bit |
CPU | Ryzen 9 5900HX |
GPU | Radeon Graphics |
RAM | DDR4-3200 SO-DIMM 16GB/32GB/64GB |
ストレージ | 500GB/1TB PCIe SSD |
インターフェース | USB Type-C×1、USB 3.0 Type-A×3、USB 2.0×2、DisplayPort×1、HDMI×1、有線LAN×2、3.5mmオーディオジャック×1 |
本体サイズ | 168×120×39mm |
本体重量 | 約680g |
今回紹介する『Beelink GTR5』は、小型デスクトップPCの開発・販売を手掛ける Beelink(中国)が2022年2月に発売したモデルです。
OSには最新のWindows 11 Pro(64bit)を採用。CPUには "Ryzen 9 5900HX"、RAMは16GB/32GB/64GB(3モデル)を搭載しています。
▼最新CPUにより優れたパフォーマンスを発揮。
ストレージには500GB/1TB(2モデル)のSSDを採用。本体起動からデータ転送まで高速で行うことが可能です。
拡張性にも優れており、SSDは最大2TB(NVMeサポート)まで拡張できます。
通信規格はイーサネット(有線LAN)に加え、Wi-Fi 6EとBluetooth 5.2に対応。
"Radeon Graphics" による強力な描画処理能力を擁しており、DP(ディスプレイポート)とHDMIポート、そしてType-Cポートを介した 3画面同時出力にも対応しています。
▼公式が掲載している主要タイトルのFPSテスト値。重めのタイトルでも比較的高いFPSを記録しており、ゲーミングにも利用可能となっています。
そして何より筐体サイズが168×120×39mm、約680gと 非常にコンパクトかつ軽量 で、持ち運びにも適した大きさとなっています。外出先での作業用デバイスとしても重宝するでしょう。
筐体には充実したポート類が用意されており、一般的なデスクトップPCとほぼ同様に扱うことが可能です。
このように、実用的な性能・省スペース性・携行性のいずれにおいても優れた、オススメの小型デスクトップPCとなっています。
今回、提携先より本製品(32GB RAM + 500GB SSDモデル)を提供していただいたので、実際に使用した感想を元に良かった点・悪かった点などを紹介していきます!
製品本体および付属品
製品本体および付属品について紹介していきます。
▼製品外箱の様子
▼内容物をすべて取り出した様子
内容物一覧
- PC本体
- 電源ケーブル&アダプタ
- ユーザーマニュアル
- HDMIケーブル(100cm)
- HDMIケーブル(20cm)
- 壁掛け式ブラケット×1
- M4×6ネジ×3
- M3×3ネジ×3
- M3×5ネジ×5
▼説明書は日本語にも対応しています。
▼付属の金具マウント&ビス類を使って、モニター裏への取り付けが可能です。
▼電源アダプタはもう少しコンパクトな大きさだったら嬉しかったかな?
▼持ち運びの際に、ややかさばりそうです。
▼プラグが3P形状のため、3P⇒2P変換アダプタ(別売り)を用意する必要があります。
PC本体の外観
▼PC本体の外観。黒を基調としており、スタイリッシュな印象を受けます。
▼本体サイズは168×120×39mm、重量は約680グラムと非常にコンパクトかつ軽量であり、カバンなどに入れて持ち運んでも支障にならないでしょう。
▼手のひらに載るほどの大きさ。
▼厚みも4ミリ足らずと薄型デザインです。
▼背面の様子。両側にゴム製の滑り止めが施されているほか、マウント取り付け用の穴が空いています。
インターフェース構成
続いて本体インターフェースについて紹介していきます。
▼本体正面には、画像左から『電源ボタン』『USB 3.0ポート』『USB Type-Cポート』『イヤホンジャック』が搭載。
▼両側面には吸排気用の穴が空いています。
▼背面の様子。画像左から『電源(DC)ポート』『LANポート』×2『HDMIポート』『ディスプレイポート(DP)』『USB 3.0ポート』×2『USB 2.0ポート』×2 が用意。
▼また、本体上部には指紋認証センサーと一体化した電源ボタンが搭載。指紋認証によるロック解除が可能です。
以上の通り、限られたスペースに柔術下ポート類が集約されたインターフェース構成となっています。
USB3.0&2.0ポートが計5つ用意されているうえ、Type-Cポートも用意されているため、多くのデバイスを同時接続することが可能です。
前面のType-Cポートに加えて、背面に用意されたHDMIポートとディスプレイポート(DP)を利用することで、3画面同時出力にも対応。LANケーブルによる安定した有線接続が可能な点も嬉しいですね!
一般的なサイズのデスクトップと遜色ない利便性を実現していると言えます。
実際に使用した感想
それでは、『Beelink GTR5』を実際に使用した感想を紹介していきます!
▼今回のレビューではウルトラワイドモニター(3440×1440)に接続して使用しました。
▼実際に使用した様子。主要USBポートが背面に集約されているため、スタイリッシュに使いたい方は、Bluetooth対応マウス&キーボードを利用すると良いでしょう。
▼マウスと並べると、改めて本体のコンパクトさが際立ちます。
▼ただやはり、電源アダプタがちょっと大きいかな?と感じます。せっかくPC本体がコンパクトなサイズなのに勿体ないですね。
▼デバイスの仕様。今回のレビューでは32GB RAM + 500GB SSDモデルを提供していただきました。
▼500GBストレージモデルでは、463GB分が利用可能領域として割り振られています。
ほとんどの作業を快適にこなせる
最初に、一般的なPC用途として考えられるウェブブラウジング(Webサイト閲覧)や、動画視聴時のパフォーマンスを確認してみました。
ウェブブラウジングに関しては、画像多めのサイトからスクリプトが多用されたサイトまで、いずれもスムーズに読み込むことが可能でした。
▼ウルトラワイドモニター(3440×1440)に出力した場合でも、スクロール時にも画面がカクついたり、遅延の発生などはほとんどありません。
そしてYouTuberなどの動画サイトにて動画を再生した場合でも、高画質映像を問題なく視聴することが出来ました。
▼ただし再生時の快適さは通信速度に依ります。
また、Microsoft Officeなどの作業用ソフトウェアを使用して作業を行ってみました。
この場合においても、各処理や描画がスムーズに行われ、ストレスを感じることなく作業を行うことが出来ました。
このように、根本的なスペック自体が優れているため、一般的なPC用途に関しては何の問題も無く動作することが確認できました。
リモートワーク用や、オンライン授業用のメインPCとしても、オススメできる性能となっています。
PCゲームも快適にプレイ可能
本製品のゲーミング性能についても確認してみました。
『FF14ベンチマークテスト』を実行してみます。
テスト条件①
- 1920×1080
- 高品質(デスクトップPC)
- ウィンドウモード
- DirectX 11
上記①の条件でベンチマークテストを行った結果、スコア3805点、評価は "設定変更を推奨" でした。
ゲームプレイ自体は可能ですが、高画質設定ではスムーズなパフォーマンスは期待できないという結果です。
続いて、品質設定を落として再テストを行ってみました。
テスト条件②
- 1920×1080
- 標準品質(デスクトップPC)
- ウィンドウモード
- DirectX 11
上記②の条件でベンチマークテストを行った結果、スコア6161点、評価は "やや快適" でした。
画質はやや落ちるものの、普通にFF14をプレイする分には十分に快適なパフォーマンスを期待できる結果となりました。
この筐体サイズでここまでのゲーミングパフォーマンスを擁する点は驚きですね!
また他にもマインクラフト(PC・Java版)もプレイしてみましたが、その場合も常時40fps~60fps以上で快適に遊ぶことが出来ました。
仕事やクリエイティブ作業、そしてゲーミングにも利用できる高性能なミニPCとなっています。
ミニPC最新モデル FF14ベンチマークスコア比較表
当サイトで今まで紹介したミニPCの最新モデルについて、FF14ベンチマークテストを実行した際のスコアを一覧で紹介しています。
ミニPCのゲーミング性能に興味のある方は、是非参考にしてみてください!
※いずれもレビュー時点で配布されていたベンチマークテストツールによる、1920×1080ウィンドウモードでの実測値です。
モデル名 | スコア | |
標準品質 | 高品質 | |
MINISFORUM TL50 | 6719 | 4002 |
Beelink GTR5 | 6161 | 3805 |
MINISFORUM EliteMini HX90 | 5144 | 3053 |
Beelink SER4 | 4962 | 3190 |
Minisforum EliteMini HM90 | 4680 | 2980 |
GMK NucBox2 | 3640 | - |
Beelink SEI 8 | 3282 | 1738 |
Beelink SER3 | 2201 | 1381 |
NiPoGi Radeon Vega 3 | 1883 | - |
Beelink U59 | 1190 | - |
ACEPC Mini PC AK2 | 1184 | - |
Beelink MINI S | 1137 | - |
CHUWI LarkBox | 1052 | - |
なお、スコア値の目安は以下の通りです。
引用元:ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマークとは
動作音が大きい
最後に動作音や廃熱性能について確認してみました。
本製品は内部に廃熱用のファンを内蔵しており、動作中はファンが回転します。
レビュー時には本製品を4時間ほど連続使用してみましたが、PC本体からの発熱は抑えてられており、背面からやや暖かい廃熱を感じる程度でした。
▼筐体自体はほどんど熱を持ちません。
▼背面から暖かい風を感じる程度。
長時間の連続・高負荷利用にも安心の、優れた放熱性能を実現できていると言えます。
しかし一方で、本体内部のファン回転音はかなり大きく、身近なデスク上に設置して利用する場合、フォーンというファンが高速回転する音がかなり耳につくでしょう。
モニター裏などに設置すれば問題ないとは思いますが、使用者の近くに設置する利用の仕方は向いていないかもしれません。
どうしても動作音が気になる方は、ツールなどを用いて内部ファンの回転数を調節することをオススメします。
仕事からゲームまで、幅広い用途で活躍できる高性能ミニPC
- 性能:(☆4.5)
- デザイン:(☆4)
- 扱いやすさ:(☆5)
- 価格(コスパ):(☆3)
- 総合評価:(☆4.5)
今回紹介した『Beelink GTR5』について、特徴をまとめると以下の通りです。
良かった点
- コンパクトかつ軽量なデザイン
- 持ち運びに適したサイズ
- 大抵の作業を快適にこなせる性能
- 長時間利用し続けても熱を持ちづらい
- PCゲームもスムーズにプレイ可能
悪かった点
- 動作音(ファン回転音)が大きい
- 電源アダプタが大きめ
- 価格が高め
以上の通り、手のひらサイズの筐体に対して、4K解像度で大抵の作業をスムーズにこなせる性能を擁する、パワフルなミニPCとなっています。
"Ryzen 9 5900HX" CPUのおかげでウェブサイト閲覧や動画視聴はもちろん、FF14クラスのPCゲームまで快適に動作するパフォーマンスを実現しており、幅広い用途の利用に適しています。
充実したインターフェースを備えたデザインとなっており、通常のタワー型デスクトップPCと遜色ない利用方法が可能。満足度の高いストレージを内蔵しているため、持ち運び用ストレージを兼ねたデバイスとしても重宝するでしょう。
一方で、価格がやや高めな印象を受けます。
確かにこのサイズでこれだけの性能を実現している点は素晴らしいですが、10万円前後の料金を出せば、最近ではそこそこの性能(ロー~ミドル級)のゲーミングPCも購入できてしまいます。
特にミニPCにこだわらない場合は、通常タイプのデスクトップPCをオススメします。
持ち運びを前提としたコンパクトなサイズで、高性能なミニPCを求めている方であれば、選択肢の1つに入れて良いと思えるモデルでした。
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