趣味で動画編集を行ったことのある人なら、おそらくほとんどの人が知っているであろう超有名な動画編集ツール『Aviutl』について、2019年8月18日、制作者のKENくん(@_kenkun)がなんと6年ぶりに活動復活をツイッターで発表しました!
数年ぶりに復活してみようかと。。。多分あまり呟かないと思います
— KENくん (@__kenkun) August 14, 2019
そして2013年から更新の滞っていたAviutlについて、最新版の『version1.10テスト版』を公開。すでに公式サイトからダウンロードすることができます。
▼ダウンロードの項目に2019年8月18日の日付で、『version1.10テスト版』が追加。.zip名をクリックするとダウンロードできます。
Aviutlは無料のフリーソフトにもかかわらず非常に拡張性が高く、多くの派生プラグインが配布されています。私自身も動画制作の際に大変お世話になっており、今でも使い続けているほど使いやすいソフトです。
▼私がYoutubeなどに投稿している動画もすべて『Aviutl』を使って作成しています。
今回の活動再開には私も驚き半分・嬉しさ半分でした!(゚∀゚) 新たに公開されたバージョンはテスト版となっていますが、一体何が変更されたのかについて、確認してみました。
"LargeAddressAware"を常時有効化 + 細かな変更が追加
今回公開された『version1.10テスト版』では、以下の項目が追加・変更されています。
version1.10の変更点
- ビルド環境の更新と、それに伴う調整
- 映像キャッシュを共有メモリで確保する方向に
- キャッシュサイズの指定をメモリ容量で指定
- メモリの確保失敗時にキャッシュサイズを調整して再試行できるように
- "LargeAddressAware"を常時有効に
- システム設定の初期値を一部変更
あくまでテスト版のため、正直なところそこまで大きな変更点はありません。制作者のKENくんもツイッターにて以下のように述べています。
ツールの更新を期待されている方も多いと思いますが、、やり残した事や気になる点をほんの少し修正するくらいになると思っています。
— KENくん (@__kenkun) August 18, 2019
強いて特筆するならば5番の『"LargeAddressAware"を常時有効』だと思います。
皆さんご存知の通り、Aviutl自体は32bitのアプリケーションであり、いくらPCのメモリを積んでいたとしても、通常は2GBまでしかメモリを使うことが出来ません。
そのため、重い動画ファイルを編集しようとすると『メモリ不足』などエラーが頻発する問題が生じるのです。
▼動画制作者の悪夢
しかし、『LargeAddressAware』という機能を有効にしておくことで、64bit版のWindowsでアプリケーションを実行した場合に、32bitアプリケーションが利用可能なメモリ容量を4GBまで増やすことができるのです。
この機能は従来のAviutlでも搭載されていましたが、利用する場合は管理者権限でAviutlを起動し、『環境設定』⇒『システムの設定』より手動でLargeAddressAwareをONにする必要がありました。
▼従来のAviutl設定画面
しかし今回のテスト版では、『LargeAddressAware』がデフォルトで常時ONになっており、4GB以上のメモリを積んでいる場合は常にメモリを4GBまで使用してAviutlが使えるようになりました。
▼version1.10テスト版の設定画面。LargeAddressAwareの項目が消えている
これでメモリエラーが起こる確率も低くなります。
Aviutlの64bit対応の予定はなし
上述したメモリの問題などを踏まえ、以前からAviutlの64bit対応を望む声が多数ありました。
しかし制作者のKENくんは、既存プラグインとの互換性を考慮し、今後も32bitアプリケーションのままで、64bit対応の予定は無いと述べています。
64bit対応についてはだいぶ昔にお話したこともあるのですが、プラグインが利用できなくなってしまうので対応する予定はないです。互換性を考えないで作るのであればGPUで画像処理をするような設計のものを新しく作るのが良いのですが、、そこまでは難しいです。ごめんなさい。
— KENくん (@__kenkun) August 18, 2019
しょうがないね(´・ω・`)
もし『LargeAddressAware』を有効化してもメモリ不足の問題に悩んでいるという方は、以下の記事で紹介している『分割エンコード』を参考にしてみてください!
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[Aviutl] エンコード中に『メモリ不足です』と表示され、エラーで出力が中断されてしまう場合の対処法まとめ
Aviutlで動画データをエンコードしている際に、突然以下の様な表示が出てしまうことがあります。 メモリ不足です。(メモリが不足しています。) アドレス"○○○"で例外"○○○"が発生しました。 正常 ...
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今後も正式バージョンの更新に期待!
なにはともあれ、散々お世話になってきた思い出深いソフトの更新が再会したのはとても嬉しいです!
(゚∀゚)ヤッタゼ。
今回公開されたテスト版も、現在取り掛かっている動画制作に早速利用させてもらっています。正式バージョンの公開など、今後の展開が非常に楽しみになりますね!